『テトというアイデンティティーを保ったままより自然に、より繊細な表現を』
音節の接続をクロスフェードで行うUTAUは、ボーカロイドのような周波数ドメイン接続に比べ子音のアタックが前音節に影響されない事から、マシンガンサウンドになりがちです。
全ての音節に「。」が入っているような、いわゆるロボ臭さの呪縛と言えましょう。
UTAU 重音テトには連続音ライブラリという音節から音節への中間音も搭載されていますが、PCM録音されたWAVを再生している事には変わりなく、接続速度やピッチ上下による変化までの表現は難しいのです。
そう、PCM音源である宿命といえましょう。
過去のシンセサイザーに例えるならばKORG WAVESTATIONのウェーブシーケンスと全く同じ事をUTAUは行っている訳です。
このような限界値を踏まえ、如何に人間らしい発音にするか、その手法に悩みました。
出した結論は、ボーカロイドとは真逆に音量コントロールによる子音の弱体化、ビブラートの多様等、デフォルメ的且つ誇張された表現方法に活路を見出した次第です。
更に作成中に丁度リリースされた重音テトエクストラライブラリーも使用させて頂きました。
これは何かと言いますと、いわゆるリリースサンプルと巻き舌用サンプルの拡張音です。
リリースサンプルとは昨今の大容量楽器ライブラリでよく使用されている「離鍵時の音」「離鍵後の残響成分」の事ですね。
例えるならば…
フランスパンにカジリ付く音「ガブ」 の後に引きちぎる音「ワサッ」っという、この「ワサッ」がリリースサンプルと言えます。
現時点、時間の制約の中で出来る限りの事はしたつもりですが、まだ創意工夫の余地は広大だと感じます。
今後も機会があればUTAUで楽曲作りを楽しんでみたいと思っています。
さて、実は今回の作品、7月19日(月)ボーマス13内ウタマスで頒布される重音テトコンピレーションCD参加曲となっております。
詳細はこちらにてご確認頂けますので、ご興味のある方は是非!
http://tetocompi.web.fc2.com/
This is a great song and DESERVES to be on the CD!
NOW to figure out how to buy the cd…