ムジークメッセやメーカーデモで聴けた例の公式デモ曲ですと、アナログならではのファットな中低音…では無く、腰が高めで高音域ばかり目立つ「飛び道具的な音が得意?」といった印象だったのですが、欧州ニュースサイトやエンドースアーティスト達によるデモでは全く逆の、抜けの良いオーソドックスなサウンドの片鱗もチラホラ聴けていました。
これは一体何故なのか。本当の所はどうなのか。
実機でシンプルな音を出してみると、かなり太くて存在感のある中音域が出ました。
低音域のSAW波形はうちのモジュラーシンセに近い、塊が迫ってくるような音質です。
(Instagram動画なので音質が悪いですが…)
Model-DとMemorymoogのような「アタック数ミリが歪む野獣のような音」は出ないものの、今までのアナログとは次元の違うADSRと、きれっきれなフィルターが素晴らしいです!
一方、JD-XAのプリセットですが、機能見本のようなヘンテコな音色が多目となっておりまして、AndoromedaのプリセットAバンク同様に飛び道具系。
なるほど、素の音がムジークダイレクト録音動画に少なかった理由がこれかと。
(今回貼っている音は全てバンクEのまっさらな場所に作ったオリジナル音色)
前評判通りモジュレーションの速度、スムーズ感は素晴らしいですが、それ以上に、3種類のアナログフィルターは目が覚めるような素晴らしさです。
そのアナログフィルターにSuperNATURALシンセ・トーンのSuperSAWをドライブさせてぶち込んでみると下記のようになります。エグくて良いです。
JD-XAのデジタルなVA部分であるSuperNATURALシンセ・トーンは、アナログ音源(キャリア)変調のための素材、またはレイヤーにて味付けする為の「スパイス」程度として使用されているプリセットばかり。
まして下の動画のようなオシレーターバリエーションとしてある450種(INTEGRA-7と全く同じ)のPCMはほとんど無視されています。贅沢!
店頭デモ機にてプリセットだけの試奏ですと、Fizmoのように奥まった音ばかりの飛び道具シンセというレッテル貼られそうですが、懐古的で、シンプルな往年の音を作ると驚くようなクオリティでした!
あえてこのプリセットにしたというのは表現見本という側面に加え、「当たり前の音は、当たり前に高クオリティである」という自信の表れではないかと思った次第です。
まあ、近いうちRolandのAxial(公式音色ライブラリー・サイト)でレジェンドシンセ音色が配布されるのだと思います。
奇抜な音からオーソドックスな音まで密度の濃いサウンドを出してくれるJD-XA。
このシンセ凄いです。
【おまけ】
LEDはフルカスタマイズ、光っている場所を記録しプリセットも可能です。
かゆい所に手が届く!